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グルタミンの医療関連の論文要旨

A : ICU、侵襲、重症外傷関係

1. 熱傷、外傷、ICU入室患者には、グルタミンを利用すべきとの提案

グルタミンパウダーを水溶化して経口またはチューブを介して2-3回/日投与すべきと提案されている。その目安量は、0.3-0.5g/体重kg/日である。

ASPEN 2009 guideline for nutrition Support Therapy F3


2. 重症患者に対するメタ解析

●グルタミンの経口摂取による手術、危篤患者の死亡率リスク比0.78。

●グルタミンの経口摂取による伝染性の合併症低下率は、リスク比0.81。

●グルタミンの経口摂取による入院日数の短縮は、マイナス2.6日。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12352035

Frantisek Norvak, Heyland, Crit. Care Med 2002; 30(9)


3. 多発外傷患者の敗血症・肺炎・菌血症低減

16gのグルタミンと4gのアルギニンを含む経腸栄養剤を5日間以上投与してコントロール群と比較して敗血症・肺炎・菌血症発症が抑制できた。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9737282

Alexander PJ, Lancet 1998; 352


4. 多発性外傷患者の肺炎・敗血症の発症低減

多発性外傷患者55名に対してグルタミンを1日15g経腸栄養で投与した時に肺炎・敗血症の発症が有意に低下した。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12221212

Boelens PG, J Nutr. 2002 Sep; 132(9):2580-6.


5. 成人重症患者へのグルタミンの投与に関するメタ解析

53文献をメタ解析した。(症例4671名)33文献の感染症に関する報告で重症患者又は大手術の際にグルタミン摂取により感染率が有意に低下した。(RR=0.79;p<0.00001)36文献では、短期間(1ケ月以内)の死亡率に関しての報告では、有意な差は認められなかった。入院期間に関する文献は36報で有意にグルタミン摂取により短縮された。(-3.46日;p<0.0001)人工呼吸器に関する文献は、14報あり、グルタミン摂取により有意に期間が短縮された。(-0.69日;p<0.04)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25199493

Tao KM, Cochrare Database Syst. Rev., 2014 9;(9) CD010050


6. 重症患者(ICU)へのグルタミン投与のアウトカム

ICU患者50名をグルタミン投与群(26名)Iとコントロール群(24名)に分け、死亡率や費用を比較した。死亡率に関しては差がなく、ICUとICU後の平均コストは、グルタミン群2.3万ドルに対してコントール群3.1万ドルとなり、有意に低下した。(p=0.036)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9990574

Christina Jones, Nutrition, 1999; 15:108-115


7. 重症小児多臓器不全の際に血液中のグルタミン濃度は欠乏する。

成人では、血液中のグルタミン濃度が420μm/Lより低下すると死亡率のリスクが上昇する。PICUでは死亡率は低く、死亡率をエンドポイントとして使用するのは、難しい。PELOD(pediatric logistic organ dysfunction score)を使用し、多臓器不全を調べた。血液中のグルタミン濃度の低い群は、高い群に比べて多臓器不全の割合が多い。(P=0.0001)

PICU5日以内、大半の重症小児は、血液中のグルタミン濃度は正常である。グルタミン欠乏割合は40%であり、多臓器不全に関連した。PICU初期のグルタミン欠乏は、多臓器不全に関連する。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25500971

Ekmark L, Amino Acids, 2015 Mar; 47(3):535-42


8. ICU時のグルタミン摂取に関するメタ解析

30文献(3696名の患者)から病院死亡率、ICU死亡率、感染症発症割合をグルタミン摂取群とコントロール群を比較した。グルタミンの摂取量は、大半0.3-0.5g/kg/日。院死亡率、ICU死亡率、感染症発症割合の全項目で有意な差が認められなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26252319

Oladani M, 2015 Aug; 94(31):e1319


9. 重症患者(ICU)に対するグルタミン療法の影響に関するメタ解析

グルタミン摂取による死亡率に関して17文献(3383名の患者)よりコントロール群と比べて十分な差は認められなかった。グルタミン高容量摂取(0.5g/kg/日)の場合、コントロール群よりも相対リスク1.18、有意に死亡率が上昇した。(p=0.03)院内感染に関しては、グルタミン摂取群で有意に抑制された。相対リスク0.85(P=0.02)外科手術によるICU群では、院内感染が有意に抑制された。相対リスク0.70(p=0.04)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24401636

Chen QH, Cliti. Care 2014 Jan 9; 18(1):R8


10. 重症患者(ICU)への経腸栄養によるグルタミン摂取の効果に関するメタ解析

死亡率に関して有意な差はなかった。腸の透過性については、グルタミン摂取により有意に低下した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27440684

Mottaghi A , Asia Paac. J Clin. Nutri. , 2016; 25(3):504-12


11. ICU患者に対するグルタミン・抗酸化剤に関する報告(REDOX
Study)

グルタミン(グルタミンは静脈より0.35g/kg/日、経腸より30g/日)および抗酸化剤(セレン500μg+βカロチン(10mg)、ビタミンE(500mg)、ビタミンC(1,500mg)、亜鉛20mg)を含む2×2のRCT試験。(グルタミン群、抗酸化剤群、グルタミン+抗酸化剤群、コントロール群。)40施設のICU患者1223名の患者に投与した。グルタミン群と非グルタミン群との28日後の死亡に関するオッズは1.28(P=0.05)となり、有意に上昇した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23594003

Heyland D, 2013 N. Eng. Med, 368; 16 April 18:1489-97


12. ICU患者への静脈へのグルタミン・セレン投与の報告(SIGNET)

ICU患者502名(48時間以上・レベル2−3)にグルタミン(20.2g/日)またはセレン(500μg/日)、その両方、両方なしの4群にて7日間投与して検討した。静脈へのグルタミンやセレンの投与による最初の14日間の新しい感染、6ケ月後の死亡率、抗生剤の使用日数、SOFA (Sepsis-related Organ Failure Assessment) scoreなどの観点では、有意な差が認められなかった。ただし5日間以上静脈にセレンを投与された患者の新しい感染は、低下した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21415104

Andrews PJ, BMJ, 2011 Mar 17; 342: d1542


13. ICU時の血液中のグルタミン濃度に関する観察研究

ICU時にグルタミンの投与により好ましくない報告があるが、あまり血液中のグルタミン濃度を調べている報告は少ない。2つの試験を行った。SIGNET報告に合わせてStudy AはICUの時に1日あたり60kg体重以下の人の場合、アラニルグルタミン誘導体をグルタミンとして24時間で40g、60-80kgの場合は、60g投与した。Study Bは、ICUから解放後24-72時間同様に投与した。Study Aにおいて1年後の生存率と血液中のグルタミン濃度の関係を調べたところ死亡者は生存者に比べて有意(P=0.0049)にグルタミン濃度が高く、正常値よりも高値であった。Study Bでは、生存者と死亡者の間に有意な差が認められず、共にグルタミン投与中の血液中の数値は、正常範囲内であった。ICU後のグルタミン濃度は、グルタミン欠乏の指標にならない。ICU時の血液中のグルタミン濃度とグルタミン効用についてはまだ十分に理解されていない。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25488701

Marie Smedberg, Critical Care 2014 18:677


14. ICU期のグルタミン・グルタチオンとアウトカムとの関係

ICU時の血液中のグルタミン濃度が400μmol/L未満または、930μmol/Lより大きくなると6ケ月後の死亡率の相対リスクは3.22(P<0.001)。930μmol/Lより大きくなると相対リスク4.11(P=0.043)。血液中のグルタチオン/総計のグルタチオン(rGSH/tGSH)

>0.65になると相対リスク2.17(P=0.032)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22248298

Rodas PC, Clin. Sci. , 2102 Jun;122(12):591-7


15. ICU期の血液中のグルタミン欠乏とアウトカム

ICU期において患者80名を調べた。血液中のグルタミン濃度が、420μmol/L未満の時それ以上と時と比べて死亡率が有意に上昇した。(p=0.013)血液中のグルタミン濃度が420μmol/L未満は、有意に年齢が高くなり、ショック死の割合が高くなった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11280678

Oudemans-van Straaten HM, Insentive Care Med, 2001; 27:84-90


16. 小児のICU患者へのセレン、亜鉛、グルタミン投与とホエーたんぱく質投与における比較試験(CRISIS Study)

1-17歳の72時間以上ICU管理の患者に対してセレン(40μg/日)、亜鉛(20mg/日)、グルタミン(0.3g/kg/日)投与群とホエー(0.3g/kg/日)投与群で比較した。感染症や敗血症の発生について差は認められなかった。また28日後の死亡率においても差は認められなかった。人工呼吸器の期間なども差が認められなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22079954

Carcillo JA , Pediatr. Crit. Care Med. , 2012 March; 13(2):165-73


17. 腹部回復手術

腹部回復手術患者428名対して手術の1日前から術後少なくとも5日目まで静脈よりグルタミンとして0.25g/kg/日投与群と非投与群で体重減少、術後の合併症、感染性の死亡率などを比較したが、差が認められなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19801932


18. ICU期にグルタミン投与により感染症低下

ICU期にアラニルグルタミンを静脈より0.5g/kg/日投与群と非投与群で比較した。感染性の合併症や血糖管理が、有意に改善した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21336131

Grau T, Crit Care Med. 2011 Jun; 39(6):1263-8

 

 

19. 重症患者に対する免疫栄養についてのメタ解析

24文献(3013名)を解析した。SIRS/sepsis/ARDSなどを持つICUおいて死亡率(相対リスク0.63 p=0.004)、感染率(0.42)、LOS(低拍出症候群:相対リスク0.45)の発生は有意に低下した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18626628

Marik PE, Intensive Care Med. 2008 Nov; 34(11):1980-90


B:熱傷

1. 熱傷患者のCRP・敗血症の低下、死亡率・炎症程度の改善

熱傷患者に0.57g/kg/日のグルタミンの経腸投与により、熱傷患者のCRP・グラム陰性菌由来の敗血症の低下、死亡率・全体的な炎症程度が改善された。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11700398

Wischmeyer PE, Crit. Care Med 2001; 29(11):2075-80

2. 重度の熱傷に対する効果

40人の熱傷患者(体表面熱傷範囲は20%から40%でV度熱傷、または体表面熱傷範囲は50%から80%)にグルタミン(gln)を含む経腸栄養剤を0.35g gln/kg体重/日摂取させる群と、標準的な経腸栄養摂取させる群とに分けた。グルタミンを摂取させた群の病院滞在日数(p=0.026)、入院費(p=0.031)が有意に低下した。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12903886

Zhou YP, JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2003, Jul-Aug; 27(4):241-5


3. 成人の熱傷患者に対する効果

成人の熱傷患者を、コントロール群とグルタミンを26g/日、33±17日間摂取する群とに分けた。コントロール群19人対グルタミン摂取群16人に対し、熱傷から72時間以内の死亡者は8人対0人となり、グルタミン摂取群の死亡率が有意に低下した(p=0.01)。また、コントロール群は緑膿菌陽性の患者が7人に対し、グルタミン摂取群は0人となった(p=0.01)。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14530749

Garrel D, Crit. Care Med. 2003, Oct; 31(10):2444-9


4. 重度の熱傷患者に対する腸管粘膜への効果

48人の重度の熱傷患者(総熱傷表面積30~75%、全層性熱傷面積20~85%)を熱傷コントロール群(B)とグルタミン摂取群(0.5g/kg、G)とに分け、14日間経過観察を行った。血漿グルタミン濃度はG群がB群に対し有意に増加した(p<0.01)。また、病院滞在日数はB群が55.68±17.36日に対してG群は46.59±12.98日となり、有意に小さな値となった(p<0.05)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15019120

Peng X, Burns. 2004 Mar; 30(2):135-9


5.重症患者に対する経腸グルタミン摂取に関するシステマテックレビューおよびメタ解析

重症患者1079名を含む合計11研究を確認した。病院での死亡率、感染率、ICU期間には差が認められなかった。しかし入院日数には、有意な差が確認された。熱傷に限る解析では、病院での死亡率、入院日数の有意な減少が見られた。外傷では、その差は確認されなかった。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26283217

R H van Zanten, Criti. Care 2015; 19: 294-309


6. 重症熱傷患者を対象にしたグルタミン摂取に関するメタ解析

216の報告を調べてRCTs4報155名の患者で調べた。コントロール群とグルタミン摂取群において有意な差が確認されたのは、グラム陰性菌の患者数(オッズ比0.27:p=0.04)病院死亡率(オッズ比0.13:p=0.004)で他は確認できなかった。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23313017

Lin JJ, Burns 2013 JUN 39(4):565-70


7.重症熱傷のラットに対する心臓機能と心筋障害

重症熱傷ラットに対してグルタミンを1.5g/kg/日(3日間)とコントロール群アラニン摂取群の比較で比較した。グルタミン摂取により心臓のミオサイトでのATP・GSH合成促進とエネルギー代謝改善により心筋の構造と機能低下を防いだ。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22977661

Yan H, Int. J. Clin. Exp. Pathol.2012; 5(7):651-9


8.経腸グルタミン摂取による熱傷患者における感染症死亡率の低減

30名の患者を2群に分け、グルタミン0.5/kg/日を栄養剤に添加した群とコントロール群で比較した。グルタミン群は、陽性の血液中の菌株(0.20 vs 0.73; p=0.065)

や創傷菌株(1.0 vs 3.53;p=0.001)の発生を減少させた。創傷回復がよくなり、病院在院日数(22.73 vs 39.73;p=0.003)は有意に減少した。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23133153

Pattanshetti VM, Inian J. Surg. 2009 Aug; 71 (4):193-7



C : がん関係


1. 化学療法時の口内炎予防

化学療法で5FUを投与される患者51名に対して少なくとも3日前から1日30gのグルタミンを15日間摂取した群としない群の比較により、有意に口内炎の発症が抑えられた。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16949180

Kwon Choi, Clin. Nutr. (2007) 26:57-62


2. 放射線治療時の口内炎改善

頭部・頚部癌で放射線治療を受けている患者(1.8GY/Fr5回/週)17名の2群比較をRTOG/EORTC(NCI)により行った。1日4回(毎食前および就寝時)にグルタミン2gを30mlの生理食塩水に溶解して3分間うがいしたところ口腔粘膜炎客観評価の各ステージの期間が有意に短縮された。また最大値も有意に低くなった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10701731

Huang EY, J Radiation Oncology Biol. Phys., 2000 Feb 1
; Vol.46, NO.3:.535-539


3. 頭頸部癌患者で化学療法時の口内炎重症度の改善

頭頸部癌患者で化学療法(5FU1回/週)+70gy以上の放射線治療を受けている患者が、0.4g/kg/日のグルタミン経口投与で、口内炎発症時の重症度を軽減した。 WHO 4いじょうはプラセボで5名、試験群は0名であった。痛み、OMS>1.49以上などもグルタミン群で有意に改善した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16765532

Cerchietti LC, Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. 2006; 65(5):1330-7.


4. 食道がん患者蛙へのグルタミン+エレンタール摂取による化学療法時の口内炎予防

食道がん患者30名を3群に分けて化学療法時の口内炎について調べた。コントロール群、グルタミン群(マーズレンで1日約9g)、グルタミン+エレンタール群は、(グルタミン約9g+エレンタール)3群ともエネルギーは30kcal/kg/日に調整し、化学療法の1週間前から開始し、化学療法2サイクルまで継続した。口内炎はCTCAE法Ver.3にて行い、採血により各種マーカーも調べた。CTCAE グレード2以上は、コントロール60%、グルタミン群70%であったが、グルタミン+エレンタール群は10%となり、有意に口内炎の程度を抑制した。体重の変化、DAO活性が他の群よりも有意に高い値となった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26266659

Tanaka Y, Support care Cancer 2016 Feb; 24(2):933-41


5. 直腸結腸がん患者へのグルタミン摂取の影響に関するシステマテックレビュー

9報のRCTを含む2015年までに発表された研究をレビューした。

直腸や結腸癌患者で化学療法を受ける際にグルタミン摂取により口内炎が低減できる。下痢や窒素バランスの調整により免疫が強化する。病院での在任日数を短縮させる。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26759580

Jolfaie NR, J Res Med Sci., 2015 Sep;20(9):910-8


6. 白血病で管理された化学療法を受ける患者に対するグルタミンジぺプタイドの静脈投与に関するRCT試験

54名の患者が参加した。20gのグルタミンを含む静脈栄養剤と含まない栄養剤で比較した。好中球の減少期間の中央値は、コントロール群22.5日に対してグルタミン群は18日と有意に低くなった。CD+4やCD+8については差がなかった。好中球減少による熱や免疫性の基準については差がなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14990264

Scheid C, Nutrition 2004 Mar.;20(3):249-54


7. 化学療法・放射線治療時のがんの成人患者に対するグルタミン経口摂取による粘膜炎の改善に関するメタ解析

グルタミン摂取において15報告のうち11報告が有効との報告である。粘膜炎の指標の有意な減少(期間・程度)最も多いグルタミンの摂取量は1日10g×3回で7.5g-24g/日。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26507188

Sayles C, Nutri. Clin. Praact., 2015 Oct 27:0884533615611857


8. 頭頚部がんの手術患者44名にグルタミンを経腸投与した試験

グルタミン摂取群とコントロール群で血液中のアルブミン値、除脂肪体重、QOL(生活の質)が有意に改善された。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24992652

Azman M, Head Neck 2015 Dec;37(12):1799-807


9. グルタミン摂取により化学療法+放射線治療を受ける頭頚部がん患者の重篤な粘膜炎を改善する。

40名の患者で66−70Gyの放射線を受け6週間に1回化学療法を受ける患者治療中通して毎日1日10g×3回グルタミンを摂取し、比較した。CTCAE グレード4は、コントロール群で25%、グルタミン群は0%であった。痛みのスコア、最大粘膜炎についてもグルタミン群で有意に改善した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25351453

Tsujimoto T, Oncol. Rep 2015 Jan;33(1):33-9


10. 肺がんの化学療法+放射線治療の患者に対するグルタミン摂取による逆流性食道炎に関する報告

患者は、グルタミン粉末を8時間に10g摂取した。肺がん患者の化学療法・放射線治療ンに際して逆流性食道炎合併所のリスクをグルタミン摂取により有意に抑制できた。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17531398

Algara M, Int. J Radiat. Oncol. Biol. Phvs., 2007 Oct 1;69(2):342-9


11.放射線治療によっておこる粘膜炎の予防・緩和に関するグルタミンの役割

頭頚部がん患者(合計70名)の放射線治療時2時間前に10gのグルタミンを1000mlの水に溶かして放射線前に飲用する。グレード3・4ともに有意に割合が低下した。グレード3以上の期間も有意に短縮された。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24665438

Chattopadhyay S, South Asian J Cancer 2014 Jan;3(1):8-12


12. 肺がん患者で放射線治療による逆流性食道炎を起こした患者に対するグルタミンの効果

重篤な放射線治療による逆流性食道炎に対して1日30gのグルタミン摂取により有意に逆流性食道炎が抑制された。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24592140

Tutanc OD, Contemp. Oncol. 2013 ;17(6):520-4


13. 肺がん患者の放射線治療時の逆流性食道炎をグルタミン摂取で低減する

32名の患者が参加し、16名が8時間でグルタミンを10g摂取した。食道炎の期間はグルタミン群で0.93週、コントロール群で2.5週となり有意に短縮された。グレードも同様にグルタミン群0.68、コントロール群1.87となり有意に低下した。体重ロスに関しても改善された。

https://www.n cbi.nlm.nih.gov/pubmed/25640390

Gul K, Asian Pac J Cancer Prev.,2015;16(1)53-8

14. 進行性の食道がん患者の 化学療法・放射線治療の免疫や腸管バリアに関するグルタミン摂取の研究

128名の患者でグルタミンは1日当たり30g摂取する。グルタミン摂取によりリンパ球数、PHA(赤血球凝集細胞に接着する?クチン)、ユンカナバリンA(リンパ球を刺激する物資地)は有意に増加した。グルタミン摂取により腸の透過性を改善した。放射線治療後7日目の血液中のグルタミン濃度は、コントロール群に比べて有意に高値を示した。

その結果放射線治療中の食道がん患者のリンパ球の維持、腸のバリア性の維持にグルタミンは有効である。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9563534

Yoshida S, Ann. Surg. ,1998 Apr:227(4):485-91


D : 移植関係

1. 骨髄移植の化学療法時に口内炎などの改善

骨髄移植患者21名に対してswish-and-swallowでグルタミンを4時間ごとに投与し、1日24g摂取したところ、グルタミン摂取区は、モルヒネの使用がなくなり、粘膜炎の程度や期間が減少した。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10917373

Cockerham MB, Ann Pharmacother. 2000 Mar; 34 (3):300-3


2. 小児の患者の口内炎改善

小児の骨髄移植患者において28日間 0.6g/kg/日のグルタミン経口投与で口内炎発症時の重症度を軽減した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16086046

Aquino VM, Bone Marrow Transplant. 2005; 36(7):611-6.


3. 造血幹細胞移植時のメタ解析

17報のRCT論文を解析した。造血幹細胞移植時、グルタミンの経口摂取は、粘膜炎を減少させ(平均粘膜炎スコア−0.38)、オピオイド日数を−1.95日、GVHD(臓器移植に伴う合併症)の相対リスクは0.42まで低下する。感染リスクは、相対リスク0.75、100日後の死亡率には、影響がなかった。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19270730

Crowther M,Bone Marrow Transplant,2009 Oct;44(7):413-425


4. 骨髄移植中の激しい腹痛に対する低用量のグルタミン摂取の影響

193名の骨髄移植患者をグルタミンまたはプラセボ(グリシン)を摂取することで比較検討した。グルタミンまたはグリシンは1g/m2を1日4回口の中でグチュグチュしてから飲用した。自家移植の場合、プラセボと比較してグルタミン群は、オピオイドの期間がプラセボ群に比べて10日間から5日間へと5日間有意に短縮された。また口の痛みも有意に改善された。同胞間移植の場合は、オピオイド期間が、グルタミン群で有意に増加した。主観的な痛みに差はみられなかった。グルタミン群は、プラセボと比較して全患者で28日後の生存率が有意に改善した。(p-0.006)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9722068

Anderson PM, Bone Marrow Transplant, 1998 Aug; 22(4):339-44


5. 造血幹細胞移植時の小児の粘膜炎予防としてグルタミン経口摂取の2重盲検試験

化学療法を受ける造血幹細胞移植(120名)の小児にグルタミンまたはグリシン(プラセボ)を2g/m2(最大4g)28日目まで1日2回摂取して比較した。粘膜炎は修正Walsh scaleを使用した。グルタミン群は、粘膜炎スコア3.0、グリシン群3.8(p=0.07)

であった。静脈への麻薬投与回数は、グルタミン群12.1回、グリシン群19.3回(P-0.03)、静脈栄養の期間はグルタミン群17.3日、グリシン群27.3日(P-0.01)であった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16086046

Aquino VM, Bone marrow Transplant, 2005 Oct; 36 (7):611-6


6. 異質の肝細胞移植患者へのグルタミンの静脈投与における短期間の生存率に関するランダムスタディ

53名の異質の移植患者に対してグルタミン入りのPNとグルタミンの入っていないPN(プラセボ)投与で比較した。

180日目の生存率は、グルタミン群74%、プラセボ群46%(P-0.03)、100日目のP-0.05。大半の死亡は、100日目までで発生し、プラセボ群39%、グルタミン群15%。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18317456

da Gama Torres HO, Bone Marrow Transplant,2008 jun;41(12):1021-7


7. ラットの肝移植時のグルタミン摂取の検討

異質の肝臓移植を受けたラットにグルタミン(0.4g/kg)またはプラセボ(生理食塩水)を6日間投与して比較した。6日目の血液中のグルタミン濃度は、プラセボ群と比べて有意に増加した。血液中のTNF−α、エンドトキシン、バクテリア数(E Coliなど),

バクテリアトランスロケーションは、6日目のプラセボに比べて有意に低下した。sIgAは有意に増加した。絨毛の高さ、面積ともに3日目・6日目ともプラセボ群に比べて上昇した。NF-κBはグルタミン群3・6日目においてプラセボ群よりも有意に低下した。グルタミン摂取は、エンドトキシンやバクテリアルトランスロケーションを低下させ、肝移植に際して効果的である。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25027347

Shu XL, Eur. Rev. Med Pharmacol Sci., 2014; 18(14):2054-64

E:下痢

1. クロストリジウム・ディフィシル(CD)誘発性下痢の改善

ラットの腸の陰窩上皮細胞株をCDが産生する毒素(toxin B)に曝露させた。24時間後にはtoxin Bが0.01ng/ml曝露された細胞の面積が有意に低下したが、アラニルグルタミンを10mM添加した場合は有意に増加した(p<.001)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23359592

Rodrigues RS, J. Infect Dis. 2013 May 15;207 (10):1505-15


2. 幼児の急性下痢の改善

生後6〜24ヶ月の急性下痢の幼児63人に0.3g/kg/日のグルタミンを服用させ、プラセボ65人と7日間比較した。グルタミン摂取群は下痢の平均期間が有意に低下した(p=0.004)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15097437

Yalcin SS, J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2004 May; 38(5):494-501


3. エイズ患者の下痢改善

下痢のエイズ患者をコントロール群、グルタミン(Gln)摂取群(30gGln+15gグリシン/日)、アラニルグルタミン(Ala-Gln)摂取群(44gAla-Gln/日)に分け、7日間臨床検査を行った。Ala-Gln摂取群の9人中8人(p=0.05)、Glnを摂取した30人中26人(p=0.01)の患者の便の頻度、軟度が改善された。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15227625

Bushen OY, Clin. Infect Dis. 2004 Jun 15; 38(12):1764-70


4. 化学療法薬による下痢の改善

70人の大腸がん患者を、グルタミン摂取群(18g/日)とプラセボ群とに分け、化学療法を行う5日前から摂取を行い、15日間継続させた。腸の吸収率、透過率はプラセボ群が有意に減少した(p=0.02)。化学療法薬(フルオロウラシル/フォリン酸)の投与で誘発される下痢が改善された。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11115819

B Daniele, Gut. 2001; 48:28-33


5. 化学療法による下痢のメタ解析

化学療法によって誘発される下痢へのグルタミンの効果について、8つの論文のメタ解析を行った。合計298人の患者は、グルタミン摂取群147人、プラセボ群151人に分けられた。グルタミン摂取群はプラセボ群に対して、下痢の期間が有意に低下した(重量平均差−1.06,信頼区間95%)。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22705427

Juxian Sun MD, Asia Pac. J. Clin. Nutr. 2012; 21(3):380-385

F:絨毛

1. 内毒素血症のラットへのグルタミン摂取の効果

生後18日の80匹のラットを、内毒素血症群とグルタミン摂取群(2g/kg/日)とに分けた。内毒素血症はリポ多糖(LSP)によって誘発され、LSP注入から6、72時間後のグルタミン摂取群の血漿中のジアミン酸化酵素(DAO)活性は有意に減少した(p<0.05)。また、LSP注入から6、24、72時間後、7日後のグルタミン摂取群の腸のDAO活性は有意に増加した(p<0.05 or 0.01)。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20959048

Chang X, Zhongguo Dang Dai Er Ke Za Zhi. 2010 Oct; 12(10):809-11


2. LSP注入されたラットに対するグルタミンの効果

250~280gのラットをコントロール群、LSP群(10mg/kg/日)、LSP-GLN群(飲料用水にグルタミン2%含有)の3群に分け比較した。LSP-GLN群はLSP群に対し、空腸の腸重量、空腸と回腸の粘膜重量・粘膜のDNA、絨毛の高さが有意に増加した。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17574581

Sukhotnik I, J. Surg. Res. 2007 Dec; 143 (2):379-84


3. グルタミンによる免疫強化

250~300gのラットをコントロール群とグルタミン摂取群(1g/kg/日)とに分け、コントロール群には偽手術、グルタミン群には胆管結紮を施し、7日間経過観察を行った。グルタミン群には術後もグルタミンを与え続けた。術前、術後期間において、グルタミン群の細菌移行が有意に少なくなった (p<0.001)。また、閉塞性黄疸による絨毛の萎縮が有意に軽減された。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12765668

Zulfikaroglu B, Clin. Nutr. 2003 Jun; 22(3):227-81


4. 腸切除されたウサギへのグルタミンの効果

腸切除された30匹のウサギを、コントロール群(完全静脈栄養摂取)、L-グルタミン静脈内投与群に分け、経過観察を行った。L-グルタミン静脈内投与群において、平均絨毛高さ、陰窩の深さが有意に増加した(p=0.0001)。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22426906

Tekin A, Turk J. Gastroenterol. 2010 Sep ;21(3):236-43


5. 出血性ショック状態のウサギへのグルタミンの効果

生後26±3日のウサギ18匹をコントロール群、低グルタミン投与群(L-Gln群、0.5g/kg/日)、高グルタミン投与群(H-Gln群、1.0g/kg/日)に分け、出血性ショック状態を誘発させ7日間経過観察を行った。蘇生後、6~24時間でL-Gln群とH-Gln群の血漿DAO値と血清IL-8値がコントロール群と比較し有意に減少した。また、L-Gln群とH-Gln群との差は認められなかった。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16522245

Rao XP, Zhongguo Dang Dai Er Ke Za Zhi. 2006 Feb; 8(1):66-70


G:その他

1. H.Pyloriに対する効果

マウスの実験で約7%グルタミンを含有するエサの摂取によりプラセボ群よりもピロリ炎症の各種指標が有意に変化した。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19261732

Hagen SJ, J. Nutr. 2009 May; 139(5):912-8


2. 病気の子供に対するグルタミン摂取の効果

さまざまな疾病を持つ新生児から青年までの子供に対するグルタミンの効果について、メタ解析を行った。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22175008

Mok E, J. Nutr. Metab. Volume2011, Article ID 617597, 41 pages